中国で10万年前の人間の頭骨が発見
10万年前の頭骨発見=現生人類起源に手掛かりか-中国(yahoo.co.jp)
見つかった地層が10万年前あたりのものと言う事なので、そうだとしたら現生人類のものではないと思う。現在の人類学では解剖学的な現生人類は10万年前あたりにアフリカで出現し、その後8~5万年前に紅海南端付近を通って出アフリカを果たしたと言う説が一般的だからだ。それはミトコンドリアDNAとY染色体DNAの解析による。
ところが、上記の記事を見ると「中国の学者の間では「中国人は独自に進化した」との説も有力。」とあり、中国各紙の報道姿勢も今回の発見はそれを期待する感じだ。とりあえずとっととDNAを抽出してみたらいいんじゃなかろうか。保存状態が良好と言うのだから。
ちなみに、yahooのニュースサイトは関連ページのリンクを作ってくれる(記事本文ではなくてヘッドラインで)ので結構重宝するが、今回の記事では
人類の起源 - 猿人から現代人までの年表。Basketball&Space&History
と言うのがリンクされている。
そこを読んでみたが、こりゃあ最新の研究から見たらちょっと古いんじゃないか。いや私も専門分野だから「最新の研究」ってのを持ってる訳じゃないが、私が知ってる範囲からみても古いと思う。
こっちの方が良いと思う↓
人類の起源(s-yamaga.jp)
ただ、ここが参照している国立科学博物館の資料もちょっと古い。
はるかなる旅展
最初に書いた様に出アフリカの経路は紅海北側のシナイ半島経由ではなく、紅海南端のバブ・エル・マンデブ海峡(悲しみの門)と言う方が現在では有力だからだ。
ニュースサイトの指し示す関連サイトってのは鵜呑みにするのはちょっと危険と言うのをあらためて感じた。