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現行著作権に抵触しない動画共有サイトの繁忙などありえるか・動画投稿共有サービスはどこへ行く

昨年、YouTubeによって注目される様になった動画投稿共有サイトは国内外に様々なクローンを生み出しそのほとんどが悉く失敗の憂き目に遭っている。昨年夏頃に生まれた国内の偽YouTubeサービスなど惨憺たる状態で、そもそもどんな物があるのか未だに覚えている人は何人いるだろうか。昨年登場して失敗した偽YouTubeサービスは多くが投稿動画の事前チェックを行っているが、ここで再三書いている様にそんな「投稿」サイトに誰が投稿などするものか。ユーザは自分がuploadした物はすぐ見たいのだ。事前審査ありなどで成功は絶対ありえない。

また、圧倒的に先行したYouTubeを追いかけるのにそれとほとんど差異の無い動画共有サービスをあとから始めたところでYouTubeに追いつくどころか追いすがる事さえ出来ない。それはGoogleが自前のGoogle Videoを諦めて結局はYouTubeを16億5000万ドルで買収したと言うのが象徴的だ。それでもなお最近になってYahooと@niftyが動画投稿共有サイトを始めたのは正気を疑うしかない。Yahooは国内で圧倒的な集客力を持つポータルがあるので元のパイが大きいからまだ分からない事もないが、@niftyは何を考えたのかさっぱり分からない。欧州でそれなりのポジションを持つDaily Motionですら、「Daily Motionに投稿しても誰も見てくれないし、見たいものが無い」(日本人にとって)と言う負の連鎖状態だ。

もちろん、YouTubeと決定的な差異を持てる動画投稿共有サイトが作れるのなら相応の期待はできる。それがDivXのStage6だが、高画質を提供できる代償としてDivXのコーデックとWebプレヤーを入れていないと使えないと言う大変大きなハードルがあり、ニッチでの繁盛となっている。

そこに来たのがソニーの動画投稿共有サイト。

ソニーが動画投稿サイト「アイビオ」をオープン--iPodや携帯電話にも対応(CNET)
ソニー、動画共有サービスに参入 「eyeVio」スタート(ITmedia)

これまでの動画投稿共有サイトを始めた母体とは異なり、ソニーは録画機器も再生機器も押さえているメーカーだ。いわば入口と出口を持っている事になり、特にゲーム機と携帯プレヤーを持っているのは大きな強みではある。しかし現行の制度下ではある意味当然として「サイト上のコンテンツは24時間有人監視し、著作権違法コンテンツや有害コンテンツは即時削除する体制を整えているという。」事だが、これは一体どこまで本気でやるつもりなのだろうか。この定義では当然テレビの録画した物は「即時削除」である。では残されたのはいわゆる「ホームビデオ」である。そんなもの、これまでだって色々な動画投稿共有サイトにupload出来た訳であってそれが成功していないのはもう分かり切っているではないか。

今回の特色は出口の対象を「視聴機器はPC以外に、iPod(5G)やウォークマン、PSPなどに対応している。」と増やした訳で、それは良い狙い目だとは思うが肝心の映像ソース(それは「投稿」によって成立する)が無くては幾ら出口があっても仕方ない。

対照的にニコニコ動画の方は繁忙を極めている。日本で動画共有サービスを始めて成功している非常に数少ない例だ(とりあえずYouTube同様収益の面は置いておく。何しろ誰一人として動画投稿共有サービスで際だった収益をあげていないのだから)。現時点で75万ユーザにまで利用者を広げたがそれとてもインフラの限界から最繁忙時間帯は一部のユーザしかログイン出来ない様に絞っている。今や日本における動画サービス(ストリーム系を含む)の御三家になろうとしている。

そんなニコニコ動画に100万人近いユーザは何を求めて集まってきているのか。これはニコニコ動画で起きている物を見れば分かる。まずは人気タグから。

一番の人気タグは「MAD」である。MAD動画が人気なのだ。

同じく、マイリストに登録されている順位を見てみても、MAD系が圧倒的だ。

これがYouTube以外の動画投稿共有サービスに求められるものの一つだ。ニコニコ動画ではMADに対して字幕で突っ込みを入れる、盛り上がっているのを見てMAD制作師はまた新たなMAD動画を作る、それが回ってあっと言う間に100万近くのユーザを集めている。

YouTube並みとYouTube以下の動画投稿共有サービスなど不要なのだ。


ところでニコニコ動画は連休明けに携帯から見られるサイトを試験公開するらしい。
そう言うのを前から作りたいと思っていたんだが、フットワークの軽い会社は羨ましいね。

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