N・H・Kにようこそ!・第9話
人は意図して相手に嘘をつく場合と、意図せずに相手に嘘をつく場合がある。あるいは意図して相手を裏切る場合と意図せずに相手を裏切る場合がある。意図している場合はそれが嘘であったり裏切りであったりするのは明白だが、意図しない場合は立場で受け止めが異なる事がある。
山崎が幼い頃、花火大会の誘いをしたみきは「明日はちょっと。おじいちゃんのお見舞いに行かきゃならないから。」と言うのは意図した嘘だ。そして明白な裏切りだ。また、今回七奈子を花火に誘ったが、当初はオーディションがあると言って断った七奈子が、突如それがキャンセルになったからと言って駅にまで来た件は後日の裏切りに臭いが漂う。
一方、岬はどうなのだろう。
ここまで我々に提示された場面ではそう言う意図した裏切りの気配は感じられない。今、我々は佐藤と同じ視点で岬を見ている。佐藤も岬の行為に自分を裏切る気配を感じていない。自分への少なからぬ好意を感じている。だからこそ「でもこんな罠なら、いいかもしれない」と、今回先に踏み込む意志が萌芽した様だ。
しかし冒頭のケースを考えてみたい。岬は自分としてはそう言うサインを佐藤に送っている意図はないとしたら、後日佐藤の期待に応えられない場合は佐藤にとってはまぎれもない裏切り行為なのに岬にとってはそうではない事になる。
我々は佐藤より一つだけ上の視点を持っている。それは佐藤自身を客観的に見られると言う事だ。その視点では佐藤はどうしようも無いヤツだ。それを持ってる我々は「岬が佐藤に好意を持っている」と言うのは違和感が感じられるのだ。
この違和感は果たしてどう解消されるのか。
あまり佐藤に気の毒な方向で解消されるのも見てられない話になるのだが。
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