幼女戦記Ⅱ・第2話
連邦のロリヤに注目されてしまったせいでデグレチャフ中佐の部隊には連邦の攻撃が集まるし、連邦はそれなりにやる気を出している。
おかげで東部戦線は苦しい。特に物資がうまく届かない。弾薬があるのは未だ良いが日常品がなかなか来ない。セレブリャコーフ少尉はせめて靴下だけでも欲しいとこぼす。参謀本部直属のサラマンダー戦闘団ですらこれなら東部戦線全体では悲惨だろう。こんなのでは戦争に勝てない。
それは当然参謀本部のゼートゥーアもルーデルドルフも認識してた。予想よりも冬の到来が早い。これでは攻勢がかけられない。作戦はうまく行ってないと認めざるを得ない。のんびり昔のラウドン聯隊長の回想をしている場合ではない。
冬が開けて、それで再攻勢をどうするのか。
一方で協商国側は着実に反攻の戦略を練っている。連合王国は連邦をうまく使って帝国の戦力を削ごう。うまく共倒れしたら僥倖。例の義勇軍部隊も活用しよう。そして連邦、デグレチャフ中佐に固執するロリヤは連合王国の目論見がどうであろうと全力を注ぎたい。だから義勇軍部隊も受け入れる。但し、監視は必要。と言う事で今回は忠実な政治将校と魔導師を義勇軍部隊に送り込む。
と言う事で義勇軍部隊に来たのが、OPで登場していたけど誰?と言う二人。女性の方はリリーヤ・イヴァノヴァ・タネーチカ中尉と言う政治将校、男性の方はミケル大佐と言う魔導将校だった。しかし大佐ったらかなりの上の階級じゃないのか。共産党の魔導師粛清のせいで退けられていたのが今回はお試しみたいな形で監視役で送り込まれたか。
ドレイク中佐と挨拶してる所にスー中尉がやって来る。前回戦死した仲間を連邦の地ではなく、故国に葬ってやりたいと言うのを蒸し返して来たのだ。ドレイク中佐からしたらこのスー中尉は色々面倒な部下だと思う。魔導師としての力が無かったら遠ざけたい。ところがこのスー中尉の願いにタネーチカ中尉が賛同するのだ。あれ?政治将校なので怪しいな。本心なのか表面的なのか。残ったミケル大佐の言葉どおりだと曲者ではなさそうだが。
輸送部隊のトラックが地雷を踏んでやられる。サラマンダー戦闘団ではこれをハラスメント攻撃と言っていた。補給線に仕掛けられるとジワジワと効いてくる。
なぜ連邦軍は無謀な攻撃を繰り返すのか。捕虜にした兵に対して憲兵隊の尋問だとどれもこれも共産主義に忠実な答えしかない。
だがセレブリャコーフ中尉が捕虜から聞いた内容はちょっと違う。セレブリャコーフ中尉は革命で連邦から逃げて来た一家なので連邦の言葉を話せる。だから聞き取りをしてみた。すると多くが共産主義に拒否感を持っている、上層部に不支持な感情を持っている。
これはおかしい?そう言う訳でデグレチャフ中佐も様子を見ながらの尋問を開始。捕虜になった兵からヴァイス少佐はタバコを求められたものの、言葉ではそんなものは無いと言いながらヴァイス少佐は捕虜兵にタバコをくれてやる。この辺が機微と言うものか。
セレブリャコーフ中尉はなぜ戦うのかと質問。答えはよりよい世界を求めて。そのよりよい世界とは共産主義社会なのか。答えはあんたらと同じ程度に信じてる。ここでデグレチャフ中佐が驚愕。ガチガチの共産主義者ではないのか。
セレブリャコーフ中尉はそのままメモしたが捕虜兵はあんたバカかと。否応なしに祖国の為に戦っているに決まっているだろうと言う。言葉の端々に共産党の連中への反感が滲む。
これでデグレチャフ中佐は気がついた。我々は共産主義者共と戦争をしているつもりでナショナリストと戦っていたのだ。彼らは国を生活を守る為に戦っている。だからあんなに戦意が高い。今までの戦い方は間違っていた。
戦争の仕方が大間違いだと気づいたデグレチャフ中佐は直ちに参謀本部へ戻ってゼートゥーア中将に報告する。戦争の仕方を変えろと。銃弾で相手を叩くのではなく言葉で叩く。それは一応帝国もやっている。野戦憲兵隊が敵に対して反共宣撫工作をやっている。とは言え効果は出ていない。
そんなもの、捨てろと言うデグレチャフ中佐。
あの調書を提出して、敵を分断する工作をしなくてはならないと告げる。共産主義者と国家主義者を分断する。では分断統治をするのかと問うゼートゥーア中将。デグレチャフ中佐曰くそれは帝国の力に余る。だから協力してくれる友人を作れば良い。その目星がついてると言うのか。デグレチャフ中佐曰く、現地の民族評議会が良いでしょう。敵の敵は味方です。それで敵のゲリラ攻撃を抑えられるだろう。
その頃、また補給車がやられていた。哨戒兵もやられていた。すっかり参っていたトスパン中尉達。
そして始まるゼートゥーア中将の現地民族評議会での演説。帝国が求めるのは領土ではない。平和だ。あの赤卑どもが居なければ我々は武器をとる事はなかった。平和がもたらされれば主権と領土を取り戻した友人達と手を携える事も出来るだろう。橋の上のホラティウスのごとく赤卑の攻撃を防いで行きたい。この時を以て軍政区域を民政移管する事を宣言する。
湧き上がる民族評議会。
ニヤリ。
モスコーでは連邦と連合王国の懇親会が行われていた。両国で当たれば帝国何するものぞとの意気込みで。だがロリヤは事態を正確に把握していた。帝国の占領地域に臨時政府が樹立された。世界の敵だった筈の帝国に友人が出来てしまった。
これで補給部隊が襲われる確率が減った。食料はもとよりセレブリャコーフ中尉が求めていた靴下も届いた。コーヒーも届いた。快哉を叫ぶデグレチャフ中佐。あとは戦争終結に役立つ友人が出来れば、そう思ったが、最後に出て来たのはイタリア王国に相当するイルドア王国か。役に立たない友人になりそうなのだが。






















