あかね噺・第6話
岩清水先生から学校に学生落語選手権のお知らせが来ていたからそれに出たらどうかと勧められた。その審査委員長があの阿良川一生。
その一生がTVのインタビューの中で思いつきで優勝者と歓談させて貰えないかなとか言っていた。例年なら大学生以上なのを今年は高校生以上にして優勝したら一生と直接話が出来る。なにもかも朱音に「さあかかってこい」みたいな状況が作られているが、うーん、どうなんでしょう。一生の謀と思っちゃって良いのか、たまたまなのか。
それは置いておいて、朱音は志ぐまの所にこの選手権に出る事の許可を貰いに来た。だが玄関先でぐりこからそんなのは駄目だと言われる。と言うのもこれは学生向けであって前提が素人が参加するもの。朱音もまあ素人ととも言えるかもしれないが、入門が決まっていて稽古をつけて貰っているとなると、それは不義理を働く事になるだろうと言うのだ。それでも朱音は出て一生と直接話がしたいと言う。
そんな話を奥で志ぐまが聞いていて、上がって来た朱音にあっさり良いよと言うのだ。素人が出場前提の選手権でも良いんだ。まだ正式に入門してないからかな。但し条件がある。「寿限無」で優勝しろ。
寿限無は難しい。何故なら落語を聞いた事が無い人ですら寿限無の触りは知っている。私も小学生の頃にはもう寿限無と言う長い名前があると言うのだけは知っていた。なのでなかなかウケない。だから寄席でも滅多にかからない。そう言えば前述のとおりに小学生の時に寿限無を知ってラジオとかで聞いてみたいとずっと思っていたけど、聞けたのは相当後になってからだった。それ位やってくれなかった。
朱音はそれでもやるというのだから、それじゃあとぐりこはこぐまの所へ行くぞと朱音をバイクに乗せて連れて行く。何しろこぐまは志ぐま一門の寺子屋。落語について勉強熱心で東大の落研出だそうだ。
そう言ってぐりこははこぐまなら絶対力になってくれると言うのだが、それはフラグだし、そもそも朱音が志ぐまの所に入った時にこぐまは指導を嫌だと言っていたよね。それでどうして受けてくれると思ったのか。
でも朱音はへこたれない。ただ、こぐまが朱音の教育は享二の仕事だと言ったところで妙な取っ掛かりが出来た。兄弟子を呼び捨てはどうなんだと朱音が言うけど実はこぐまの方が兄弟子だったのだ。そうだったのか。
どんな事情か知らないが自分は知らないと言っていたのに、朱音が可楽杯のチラシを見せた途端に変わった。いいよ、やってやるよ。これ何だったのか。雰囲気的には一生が審査委員長と見て考えが変わったか。あとで「根に持つタイプ」って言ってたから。
こぐま、事情は分かった。寿限無で行くんだな。じゃあ寿限無を見せてくれ。ここでいいから。と公園で言うので朱音はその場で寿限無を始める。ぐりことしてはなかなかやるじゃんと思ったけど、まあきっとこぐまはOKなんて言わないよね。そう思っていたらやはり朱音の寿限無は「ただの音」だと言う。
可楽杯に来る客は選手権だけあって落研の関係者が多い。だからほとんどが寿限無をよく知ってる。その相手にウケるのは難しい。加えて可楽杯は予選と決勝に分かれている。寿限無で優勝して来いと言われたとなると予選も決勝も寿限無をやると言う事だ。普通なら予選と決勝で噺を変えるが、同じ寿限無をやったのでは決勝で反応が鈍くなるのは必定。
志ぐまは何故こんな条件をつけたのだろう。やや考えてこぐまが朱音に聞いた。寿限無の別のサゲを知っているか。元々のサゲがあるのだ。それは名前が長すぎて溺れた寿限無が助からなかった。過ぎたるは及ばざるが如しの教訓がこめられた噺だ。
あー、知らなかったな。朱音も知らなかった。朱音は不勉強だ。もっと勉強しろ。
それはこぐまの回想では嘗て志ん太がこぐまに言ってくれた事だ。その志ん太があんな事になって、やはり根に持つと言うのはそこか。
朱音のもう一つのお願いはこぐまの高座を見たい。
許してくれたのでこぐまの高座を見たら、普段と別人。でも噺の内容はこぐまの勉強の成果が出ている。会話ではなくナレーションがメインの「今戸の狐」。内容は可楽の弟子の噺で、江戸の風俗がよく出て来る噺。こぐま、朱音の為に沢山仕込んでくれた。
ところで私も今戸の狐を知らなかった。いや、ひょっとしたらチラ見したかもしれないけど全然記憶に残っていなかった。サゲが何となく聞いた事がある様な。
江戸の風俗を知らなくちゃ駄目だ。それで朱音は岩清水に江戸の風俗を知るにはどんな本を読んだら良いのか。本を沢山読む岩清水先生ならと聞いたのだ。でもこの本の虫、一冊で良いと朱音が言うのに、多くて決めきれないから図書室に行くぞと。
そして最後の記者。
スーパールーキーを期待する記者。こいつが流れを弄って来ると言うか、解説してくれるキャラかな。居るよねこのタイプの記者。
































