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翠星のガルガンティア・第10話

当海域のヒディアーズは全滅した。
喜びに沸くピニオンのセルベージグループだが、そう告げたチェインバーから降りて来たレド少尉は正反対だった。これまで必死に殺して来たヒディアーズは元々同じ人類だったと知って自分のしでかして来た事におののくのだが、これは前回も書いた様におかしい。

だって、レドはガルガンティアに着いた頃に敵だからと言って海賊を殲滅しただろう?海賊はヒディアーズどころか同じ人間の姿で同じ様な言葉を話していた。それを攻め込んで来た連中を根こそぎ殺したくせに、今になってヒディアーズが元が人類だからと言って何をそんなに衝撃を受けて居るんだ。自分の任務がおかしかったとか、一体何の為にやっていたのかとか、そう言う疑問が沸くだけなら分からないでもない。

レドはこの後ほとんど使い物にならなくなる。

一方でピニオンはがんがんヒディアーズの巣からロストテクノロジーの固まりをサルベージ。全然腐ってねえ、って錆すら浮いてないって事か。

ここからピニオンの暴走が始まる。フランジは引き上げたロストテクノロジーを人類みんなの発展に使おうと思っていたのが、ピニオンは自分たちがまず幸せになるのに使うべきだと言って聞く耳を持たない。フランジ、思ったよりも弱腰で、ピニオンのなすがままにしてしまっている。首長としてはこんな事態は保安部によってピニオンを拘束して、言う事を聞く連中にサルベージ作業をさせるもんじゃないのか。

そしてピニオンはとうとう無線で周囲に宣言した。霧の海のクジライカは俺たちが皆殺しにした。クジライカの巣の奥にあったロストテクノロジーは全て俺たちが接収した。刃向かって来る連中は容赦なく叩きのめすと。

噂を聞いてやって来る連中への先制と言うが、それはもっと態勢を整えてからの方が良かったんじゃないのかな。レドが居るから絶対大丈夫だと思っていたのだろうか。

フランジがぼやぼやしているうちに、フランジの船団の中の船主達でピニオンにつく者も出現する。もうフランジの統制は効かない。ピニオンの宣言はガルガンティアにもあまねく届き、ガルガンティアの船団の中からも離脱する船が出るかもしれない。その一方で、エイミーやベベル、そしてオルダムはクジライカを皆殺しにするとは何て事をしでかしたんだと悲しむ。
参考資料

これもちょっと分からない。なぜオルダム達はそうまでクジライカにこだわるのか。恐れから来るある種のクジライカ信仰が根底にあるのだろうか。

精神的にすっかりやられたレドだったが、それを否定するチェインバーとのやりとりでチェインバーに別の物の見方を知らされる。元が同じ人類であろうと、現在の人類の生存を脅かす存在である以上、ヒディアーズは殺さなくてはならない。そうでなければ生き残れない。ヒディアーズにならなかった人類はその脆弱な身体を補う為に科学文明を発達させた。一方絶対生物となったヒディアーズはそれを補う知性を不要とした。その結果があれだ。そうだろうか。どんな状態でも生きられる様になったら、もう思索にだけ耽る様にならないか?その場合、そう言った知性は逆に発達させるんじゃないのか?それは置いておくか。

元が同じでも進化的にそうやって分かれた以上、生存戦略として生きるか滅亡させられるかの戦いをするのは合理的であり、それがマシンキャリバーを代表とした人類銀河同盟の存在意義である。驚きつつもチェインバーの言い分に耳を傾けるレド。
参考資料

実は人類は今の我々だって同じ事をとっくの昔にやっている。それが全く記録されていないから意識していないだけで。今のヒトであるHomo sapiensはHomo属の中で進化して来た過程でネアンデルタール人(H. neandertahalensis)と途中で分岐している。そして発掘された化石からネアンデルタール人とは同じ場所・同じ時期で重なって存在したと言うのも知られている。一部には交雑もあったのではないかと言う研究発表もある。だがネアンデルタール人は絶滅した。おそらく地球の環境に適応できなかったのではなく、H. sapiensに駆逐されたのだ。元が同種だった相手を殲滅した前科が既に人類にはある。なにも意識していないけど。それがヒディアーズの様な姿形はおろか意志の疎通も不可能な相手と生きるか死ぬかの状態なら殲滅するしかないじゃないか。

しかし事態は妙な方向に動き出した。ピニオンの宣言を聞いてお宝を狙って来た海賊連中は発掘されたロストテクノロジーによって撃滅され、傘下に吸収されて行く。こんな糾合が果たしてずっと有効なのかどうかは分からない。いつピニオンは寝首をかかれるか分からない。戦闘場面では降伏さえすれば助けるのが大前提になっている様だった。降伏しない限りは沈めるしかないと言うピニオンの言葉に驚いた船員達が描かれていた。

やって来たのは海賊だけではない。

何かの宗教に染まった様な連中がクジライカの干物を掲げて迫って来る。その真ん中にはあのクーゲル中佐の乗機ストライカーを祭り上げて。
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クーゲル中佐は元の状態で生きているんだろうか。それにしてもいくら地球の別の地点に漂着したからと言って、今迄チェインバーがストライカーの信号を捕らえなかったなんて事があるんだろうか。

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